「パーマ屋」って知ってる?日本で美容院・理髪店が普及していった歴史をたどる:3ページ目
美容師法の制定、そしてヘアサロンへ
一方の美容師組合は、美容師の資格や職務を明確にするために、理容師法から独立する形で美容師法の制定を求めます。
その結果、1957年(昭和32年)に制定されたのが美容師法で、そこでは「美容」の定義について「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすること」とされました。そして、やはり免許なしに「美容」を業として行ってはならないと規定されたのです。
こうした経緯を見ていくと、日本で理髪店と美容院が誕生した経緯は、美容師法と理容師法という二つの法律が制定された流れと大きく関係していることが分かります。
また、法律上の定義を確認することで「理容」と「美容」の違いや、パーマ屋というのが美容院とイコールであることも理解できるでしょう。
しかし、近年は理髪店と美容院のどちらに区分されるのかが明確でない店舗も多くあります。理容・美容のいずれのサービスも行ってくれることもありますし、そうした店舗はヘアサロンと呼ばれることも多いようです。
もしかすると将来、「理容」「美容」の再定義や、こうした新しい営業形態に即した法律が制定される日が来るかも知れません。私たちの日常生活や身の周りのものは、想像以上に法律と大きく関係しているのです。