日本文化のふる里! 古都奈良で世界遺産を味わい尽くそう!
日本文化のふる里、古都奈良。実は、47都道府県の中で唯一県内に世界遺産が3つもある県なんです。そんな奈良県の世界遺産、みんなが知ってるメジャースポットはもちろん、少し足を伸ばして訪れたい穴場スポットも紹介します。
大仏 (大仏)【東大寺】
大仏殿|境内のご案内|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ
まずは1つめ、世界遺産「古都奈良の文化財」の定番のスポット、東大寺の大仏。修学旅行で訪れた人も多いでしょう。奈良の大仏、正式な名前は、盧舎那仏像(るしゃなぶつぞう)と言います。建立されたのは西暦752年、その後2回焼失するも人々の厚い信仰のもと修理を重ね現在に至っています。世界一大きな木造建築の大仏殿、その中にすっぽり収まる巨大な大仏様の優しい顔、何度訪れてもその大きさにたまげてしまいます。そして大宇宙の根本の仏、盧遮那仏像はあなたに生きるパワーを与えてくれるでしょう。
大仏殿|境内のご案内|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ
二月堂(にがつどう) 【東大寺】
二月堂|境内のご案内|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ
大仏殿から若草山の方へ、ちょっとしたハイキング気分でゆるやかな坂を登るとお水取りで有名な二月堂が見えてきます。階段を登り欄干からは眼下に古都奈良の町並みを一望。絶景の中には大きな大仏殿の屋根瓦も。大仏殿の喧騒を離れて、静かにゆったりと古都の趣を味わうことができます。
二月堂|境内のご案内|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ
転害門(てがいもん) 【東大寺】
転害門|境内のご案内|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ
そしてさらなる穴場は東大寺の西側の北のはずれにある転害門。なんと奈良時代に建てられたそのままの姿を今に伝えています。車が行き交う通り沿いに佇む古式な門構え、ここは現代と奈良時代の交差点。心を静めて門を見つめるとはるか天平の昔にタイムスリップした気分に浸ります。そして、1300年の時の流れを吸い込んだ古びた柱に日本の歴史が刻まれている、深い感動に包まれます。ここは観光客の姿はまばら、世界遺産の穴場スポットです。
転害門|境内のご案内|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ
元興寺(がんごうじ)
東大寺を離れ、江戸時代の町並みが続く「ならまち」にある元興寺を訪れましょう。庶民の町にひっそりと佇み、訪れる人も少ないお寺。門をくぐるとまず目前に現れる極楽坊。余計な装飾の一切ない、まさに質実剛健、質素で素朴で堂々とした佇まい。少し地味ですが、これぞ奈良の寺、飾り気のないすっぴんの美しさに心が洗われます。極楽坊を左手に進み、振り返えれば周りと少し色の変わった瓦が見えます。これが日本最古、飛鳥時代の瓦なんです。日本文化の象徴の瓦屋根、その原点を目撃することができます。
法隆寺(ほうりゅうじ)
奈良県が誇る2つめの世界遺産は“柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺”の句で有名な聖徳太子建立の法隆寺。日本で初めて登録された世界遺産「法隆寺地域の仏教建造物」のメインスポットです。その中でもひときわ目を引くのは西院伽藍にある五重塔。奈良の大仏よりも古い、なんと7世紀に建てられた世界最古の木造建築物として往時の姿を今に残しています。1300年以上、風雪に耐えその優美な姿を私たちに見せている、それだけでもう奇跡です。こんな建物を作った人間ってすごい、文化ってすごい。私たちの祖先の偉業に最敬礼です。
中宮寺(ちゅうぐうじ)
中宮寺について | 聖徳宗 中宮寺 公式ホームページ
法隆寺から東へ5分ほど歩くと菩薩半跏像で有名な中宮寺に着きます。足を組んで思索にふける菩薩像。その丸みを帯びた優しい表情、よく見るとほんの少し笑っているよう、思わず見とれてしまいます。厳しい修行の中、悟りの光明に近づいたような優しく深い笑み、モナリザの微笑みに勝るとも劣らない日本文化の極みを感じることができます。ずっとずっとそばで見ていたい、そんな菩薩像です。
紀伊山地の霊場と参詣道(きいさんちのれいじょうとさんけいみち)
3つめの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に足を伸ばしてみましょう。それは奈良県南部、紀伊山地の奥深くにあります。まず、桜で有名な吉野山の山中にそびえ立つ修験道の本山金峯山寺蔵王堂、そこで毎年7月7日に行われる「蛙飛び」という行事が面白い。吉野山の街中を神輿が練り歩き、その中にはなんと人が扮した大きな蛙が乗っています。神輿が蔵王堂につくあんり蛙はぴょんぴょん飛び跳ね、人間に戻りたいとお坊さんに願います。これはゆるキャラの元祖か?なんとも滑稽な姿に大人も子供も夢中になります。険しい山の荘厳な建物で繰り広げられるかわいい行事、日本文化の懐の深さを感じます。
小辺路(こへち)
秘境中の秘境。吉野山から車で3時間超、世界遺産の熊野古道「小辺路」の大股登山口。高野山から熊野大社への参詣道の途中、奈良県野迫川村大股では車から降りてすぐに小辺路を歩くことができます。ここは穴場中の穴場、観光客はほとんどいません。ただ、静かで険しい山道が続くのみ。そして世界遺産の小辺路、大股集落では民家の庭先を通ります。洗濯物が干してある!猫とばったり!生活の匂いが漂う素朴な道。これは世界中の世界遺産の中でも最も素朴で純粋でマニアックではないでしょうか?世界遺産マニアもびっくり、究極の穴場です。
奈良の3つの世界遺産、メジャースポットから超穴場まで、日本文化を味わい尽くすことができる旅。日本のふる里、ルーツがそこにある、日本人なら一度は訪れてみたいですね。