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【鎌倉殿の13人】佳久創が熱演する武蔵坊弁慶、史実の登場シーンはたった2か所だけ!?

【鎌倉殿の13人】佳久創が熱演する武蔵坊弁慶、史実の登場シーンはたった2か所だけ!?

権力者への反抗心ゆえ?義経を守ろうとした悪僧たち

どうやら義経が奥州へ落ち延びる道中、まだ京の周辺に潜伏していた頃に比叡山の悪僧(荒法師、僧兵)らが匿っていたと言います。

例えば俊章(しゅんしょう)という僧は義経たちを奥州まで案内したり、千光房七郎(せんこうぼう しちろう)という僧は義経の手紙を届けようとしたりなど、少なからず支援していたようです。

また、これらの悪僧が乱暴狼藉を働くこともあり、そうした個々のエピソードが誇張・脚色の上で「武蔵坊弁慶」に集約されていったとの説もあります。

……路邊群盜蜂起事。至疑貽分者。相觸所々畢。就中。叡山飯室谷竹林房住侶來光房永實同宿号千光房七郎僧招卒悪徒浪人等。令夜討已下悪行之由。……

※『吾妻鏡』文治4年(1188年)8月17日条

各地で群盗が蜂起しているため、警戒すべき旨を各位に通達しました。特に比叡山の千光房七郎は悪党や浪人を率いて夜討ちなどの悪行はなはだしいとか。

こうした乱行は単に私欲を満たすのみならず、権力に追われる弱者を助ける義侠心から起こった面もあり、日本人が好きな判官贔屓の表れとも言えるでしょう。

いつしか弁慶は義経第一の家来として、大立ち回りを演じる役どころとなっていったのでした。

さて、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ではどんな弁慶が表現されるのか、これから楽しみですね!

※参考文献:

  • 大隅和雄ら編『日本架空・伝承人名事典』平凡社、1986年9月
  • 佐藤和彦ら編『吾妻鏡事典』東京堂出版、2007年8月
  • 高木卓 訳『現代語訳 義経記』河出文庫、2000年11月
 

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