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2つの「同一人物説」もあるほど。人生も作品も謎だらけの天才歌人・柿本人麻呂の足跡

2つの「同一人物説」もあるほど。人生も作品も謎だらけの天才歌人・柿本人麻呂の足跡:2ページ目

2つの「同一人物説」

また、このように人麻呂の名前が史書に全く登場しないことから、2つの「同一人物説」も唱えられています。

まず「猿丸大夫説」です。実は人麻呂の正体は『古今和歌集』に登場する猿丸大夫(生没年不明)で、宮廷の政争に敗れて死罪となったのではないか、というものです。

ただし、これは裏付けとなる資料はなく、学会で受け入れられるには至っていません。

もうひとつが「山部赤人説」です。

その説によると、こうです。――人麻呂は天皇の后と深い関係を持ったため流罪となった。しかし『万葉集』編纂のために欠かせない人物だったので、仕方なく変名させて「山部赤人」として都に戻された、というのです。

しかし、これも俗説と見なされることが多いようです。

人麻呂の名前が史書のどこにも出てこないことや、生没年不明の人物が多い奈良時代という時代の性質から、こうした同一人物説も唱えられやすいのでしょう。

さて、人麻呂は公式な史書に名前が出てこないものの、国司として地方に赴任することがあったのは間違いないようです。それは『万葉集』の歌からも分かります。

その赴任先の一つに、石見国(現在の島根県)がありました。

当時、人麻呂は歳も50過ぎでしたが、しばらくすると土地の長者の娘である「依羅娘子(よさみのおとめ)」と結ばれています。

3ページ目 謎だらけの歌

 

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