ほとんど謎。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で片岡愛之助が演じる義時の兄・北条宗時の生涯をたどる:3ページ目
エピローグ
ここで宗時の出番はおしまいかと思いきや、建仁2年(1202年)6月に時政が夢で宗時の菩提を弔うようお告げを授かり、伊豆国へ下向しています(大河ドラマではたぶん割愛されてしまうでしょうが……)。
余談ながら、信州安曇郡には「実は宗時(若王丸)は死んでおらず、右腕を斬り落とされたもののどうにか生き延び、現地へ移り住んで生涯をまっとうした」との伝承があり、その隠居地は現代でも北条屋敷(旧:北条村、現:安曇野市)という地名と共に、宗時を祀る若宮社が鎮座しているそうです。
(ただし、この伝承では宗時を挙兵当時16歳としており、それだと義時よりも年下になってしまいます。あるいは26歳だとすれば辻褄は合いますが、果たして?)
宗時の墓は静岡県函南町にあり、頼朝公の先駆けとして大義のために尊い命を奉じた遺徳を伝えています。
※参考文献:
- 石井進『日本の歴史7 鎌倉幕府』中公文庫、2004年11月
- 五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡 1頼朝の挙兵』吉川弘文館、2007年10月
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 20 長野県』角川書店、1990年7月