ほとんど謎。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で片岡愛之助が演じる義時の兄・北条宗時の生涯をたどる:2ページ目
後に鎌倉幕府の公式記録となる『吾妻鏡』では、生前の宗時が登場するのは8月20日(三浦の援軍を待つ場面)と8月24日(石橋山の合戦に敗れて逃亡中、最期を遂げる)の2カ所のみ。
大庭景親(おおば かげちか)の大軍に蹴散らされ、再起を図る父・時政と弟・義時は武田信義(たけだ のぶよし)の加勢を頼むべく甲斐国へ向かいますが、宗時は独り別行動をとりました。
単にはぐれてしまった(もしくは逃げ帰ろうとした)のか、それとも打ち合わせた上で地元の残存勢力を掻き集めようとしたのかは分かりませんが、その道中に祖父・伊東祐親の軍勢に包囲され、討ち取られてしまいました。
同三郎は、土肥の山より桑原に降り、平井郷を経るの処、早河の辺に於いて、祐親法師が軍兵に囲まれ、小平井名主紀六久重の為射取られをはんぬ。
※『吾妻鏡』治承4年8月24日条より【意訳】北条三郎(宗時)は潜伏していた土肥の山から桑原方面へ下山、平井郷を抜けようとしたところ、早河(早川)のほとりで伊東祐親の軍勢に包囲され、小平井の名主である紀六久重(きの ろくひさしげ)によって弓で射殺されてしまった。
伊東祐親は頼朝公によって孕まされた娘・八重(やえ)姫の子である千鶴丸(せんつるまる)を殺さざるを得ず、また孫である宗時を討たねばならず……いくら武士の習いとは言うものの、祖父として実に忍びなかったことでしょう。
※八重姫の悲劇について:
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父や義時らと一緒に甲斐国へ向かっていれば、後にもっと活躍できたでしょうに、残念ですね。