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実は日本生まれの発明品!「使い捨てカイロ」が江戸の懐炉から世界の冬の必需品になるまで

実は日本生まれの発明品!「使い捨てカイロ」が江戸の懐炉から世界の冬の必需品になるまで

今年の冬は一段と寒いですね。寒い季節といえば、ポケットやバッグの中に自然と入っているものがあります。それが、“使い捨てカイロ”です。もうこれ、必需品ですよね。

今では世界中で年間数十億枚が使われる冬の必需品ですが、実はこの便利なアイテムは、日本で生まれ、日本で完成した発明品です。

その歩みをたどると、日本人の工夫と改良の積み重ねが見えてきます。

懐に入れる暖房具「懐炉」から始まった温もり

「カイロ」という言葉の語源は「懐炉(かいろ)」、つまり「懐に入れる炉」という意味です。

江戸時代には、温めた石を布に包んで懐に入れる「温石(おんじゃく)」が使われていました。明治時代になると、炭や麻殻を使った懐炉灰が登場し、大正期にはベンジン燃料を用いた金属製の懐炉が広まります。

火を使わず長時間温まる仕組みは、当時としては画期的でした。ただし、いずれも再利用型で、燃料補充や扱いには手間がかかり、誰もが気軽に使えるものではありませんでした。

「使い捨て」という発想の誕生

鉄粉が空気中で酸化する際に熱を出す原理は、以前から知られていました。

1970年代、日本の企業がこの仕組みに注目し、火を使わず安全に温まる「使い捨てカイロ」の実用化を進めます。当初は価格が高く、医療用途を中心に使われていましたが、この技術がのちの家庭用製品の基盤となりました。

1978年には、袋を開けるだけで自然に温まる一般向け製品が登場します。価格も手頃だったことから急速に普及し、翌年以降は他社製品も加わって、冬の定番アイテムとして一気に定着しました。

世界へ広がる日本発の冬の必需品

1980年代以降、使い捨てカイロはさらに進化します。貼るタイプやミニサイズ、靴下用や腰用など、用途に応じた製品が次々に登場しました。近年では、低温で長時間使えるタイプや香り付き、ペット用など、細かなニーズに対応した商品も増えています。

鉄粉の酸化というシンプルな原理を、安全で扱いやすい日用品に仕上げたことこそ、日本のものづくりの強みです。現在、使い捨てカイロは北米や中国をはじめ、寒冷地の多い地域で広く使われています。

冬の日、何気なく手に取るあの一枚。そこには、日本の技術と発想が生んだ、小さな温もりの物語が息づいています。今年の冬も、ポケットの中のぬくもりが、私たちの暮らしを静かに支えてくれそうです。

参考文献:江本 巖 『メガヒット秘話 使い捨てカイロ物語』(2014  文芸社)

 

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