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柿はときどき化けて出た!?俳句、保存食、そして妖怪まで…日本人と「柿」の深いつながり

柿はときどき化けて出た!?俳句、保存食、そして妖怪まで…日本人と「柿」の深いつながり

柿の歴史

柿が多くの家に植えられていた理由は、もちろん食用というのもありますが、柿から抽出される「柿渋(かきしぶ)」という液体がさまざまな用途で使われていたからです。

柿渋というのは、渋柿を絞って集めた汁を醗酵・熟成させたもので、防虫・防腐・防水の効果があるそうです。やや余談ですが、新型コロナウイルス不活性化の効果も確認されているとか。

食用については、皮をむいて食べるのは言うまでもありませんが、やはり柿の甘味を最大限に味わうなら「干し柿」でしょう。

今でも地方では10月から11月くらいにかけて、あっちこっちの民家の軒先に柿が吊るされるのを見かけますね。長野県や山形県には、干し柿が地域の特産品となっているところもあります。柿は、古来より冬の保存食の代表格でもあるのです。

ちなみに柿は厳密に見ていくと1,000種類以上もあり、時間が経つと渋みが抜けて甘くなる「甘柿」とそうではない「渋柿」に大別されます。そして「甘柿」は、実は鎌倉時代に突然変異で発生したと言われており、1214(建保2)年に現在の川崎市の王禅寺という寺で発見され、記録されたのが始まりだとされています。

もっともこれは「記録に残っている甘柿」はこれが最古というだけで、他の場所で以前から発生していた可能性も十分ありうると思いますが。

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