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地味だけれども優れた二代目。北条義時・足利義詮・徳川秀忠の資質とは? 【前編】

地味だけれども優れた二代目。北条義時・足利義詮・徳川秀忠の資質とは? 【前編】

安定した武家政権確立の法則・二代目が受け継ぎリードする

ところが、武家政権において二代目がしっかりしていれば、その政権は安定した長期政権になるという歴的な事実があります。

初代は、いわゆるカリスマです。カリスマが没すれば、人々の心は自ずと離れていきます。強烈なカリスマ性をもった先代を引き継ぐことの難しさは、現代でも同じ。二代目の御曹司が、初代が立ち上げた企業を潰すことが多いという事実は、それを如実に物語っているのです。

そう考えると、北条義時、足利義詮、徳川秀忠は、地味な存在とされながら、カリスマである初代が創った政権を見事に維持し、三代目に最盛期が来るようリードしているのです。

武家政権の長さを比べてみると

では、歴代の武家政権はどの位続いたのでしょうか。

平氏政権(1167年~1185年:18年
初代:平清盛―2代:宗盛(嫡子重盛は病死)
鎌倉幕府(1185年~1333年:148年
初代:北条時政―2代:義時―3代:泰時……(中略)……16代:守時
室町幕府(1336年~1573年:237年
初代:足利尊氏―2代:義詮―3代:義満……(中略)……15代:義昭
織田政権(1573年~1582年:9年
初代:織田信長―2代:信雄(嫡子信忠は本能寺の変で戦死)
豊臣政権(1583年~1603年:20年
初代:豊臣秀吉―2代:秀頼
江戸幕府(1603年~1868年:265年
初代:徳川家康―2代:秀忠―3代:家光……(中略)……15代:慶喜

いかがでしょうか。歴代の武家政権の中で、鎌倉幕府(148年)室町幕府(237年)江戸幕府(265年)がいかに長期政権であったかがお分かりになるでしょう。

もし、短命で終わった平氏政権・織田政権・豊臣政権において、二代目の平宗盛、織田信雄、豊臣秀頼が、優れた資質を持っている人物であったら、歴史は大きく変わっていたかもしれません。

前編はここまで。後編では、鎌倉幕府二代執権北条義時、足利幕府二代将軍足利義詮、江戸幕府二代将軍徳川秀忠の、その優れた資質についてご紹介しましょう。

【後編】はこちらから

 

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