男も惚れる男の中の男!江戸時代に実在した傾奇者「幡随院長兵衛」を知っていますか?【前編】
“男も惚れる男の中の男”という言い方がありますが、具体的にどんな人を指すと思いますか?
今回ご紹介する「幡随院長兵衛」は江戸時代に実在した人物で、この人こそ“男も惚れる男の中の男”と現在まで語られています。
幡随院長兵衛
幡随院長兵衛は元和8年(1622年)肥前唐津藩の武士・塚本伊織の子として生まれました。本名は塚本伊太郎といいます。
主君が落城したため、父の伊織は伊太郎を連れて江戸へ向かいます。しかし旅の途中で病死してしまい、伊太郎は父の遺言により幡随院の白導和尚を頼って江戸に出ます。(これについては諸説あります)
武士を捨て、名を「幡随院長兵衛」と改めた伊太郎は浅草花川戸に住み、口入れ屋(大名や旗本への奉公人を斡旋する職業)を営むことになります。
幡随院長兵衛は人夫達を束ね扱るうちに、その腕っぷしや度胸のよさだけではなく仁徳により人々の信頼を得て、江戸の「町奴」達の頭領となっていったのです。