【浮世絵で見る】もうすぐ見頃!江戸っ子たちも楽しんだ「亀戸天神」の藤の花:2ページ目
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江戸時代から現代まで変わらない藤の名所 亀戸天神
その藤の花の名所として江戸で随一の人気を誇ったのが亀戸宰府天満宮だった。
亀戸宰府天満宮は、寛文3(1663)年に太宰府天満宮を分祠したのが始まりで、学問の神様として江戸庶民の信仰を集めた。祀られている菅原道真が愛した梅の名所でもあるが、藤も同じくらい名高く「亀戸の五尺藤」「亀戸の藤浪」として広く親しまれていた。
歌川広重は境内に咲く藤を多くの作品に残しており、代表作の『名所江戸百景』では太鼓橋と藤の花を描いている。
明治6(1873)年に東京府社となってから亀戸神社と号し、昭和11(1936)年に亀戸天神社となった。江戸が東京に変わってからも庶民に親しまれ続け、最後の浮世絵師 小林清親も明治になってからの藤咲く亀戸天神を描いている。繊細に描かれた水面に映る藤と太鼓橋が清親らしい。
亀戸天神といえば忘れてはいけないのが、葛餅で有名な船橋屋だ。天神を訪れる際は江戸っ子も愛した甘味もぜひ堪能してほしい。
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