全ての政治家は上杉鷹山を見習うべし!米沢藩を救った民福主義の改革とは【後編】:4ページ目
鷹山が行った民のための疫病対策
現在、昨年から引き続き世界中で新型コロナウイルスが感染拡大中ですが、医療が現代のように発達していなかった江戸時代にも天然痘やコレラなどの疫病が猛威を振るい、多くの人命が失われました。
疫病への対処法としては、現在の緊急事態宣言のような処置が行われ、病気になった役人は出勤禁止を徹底するようなお触れがでました。
これは、疫病の拡散防止の意味がありましたが、それよりも将軍や藩主など身分の高い者に病気が感染するのを防ぐことが第一目的でした。
領民の命や生活を守ることを優先した疫病対策
そんな中、鷹山は天然痘が流行した際に、側近や役所で働く者たちに出勤することを促します。自分が感染する危険性よりも、役所を動かすことで、領民への生活・医療支援が停滞することを怖れたゆえの命令でした。
そして、天然痘が原因で仕事を失った者には、生活支援を行い、医療の無償提供を行ったのです。
このことからも、上杉鷹山は、「民に寄り添う」政策を有言実行で進めてきた優れた政治家だったといえます。
前述した通り、ジョン・F・ケネディが43歳で第35代アメリカ合衆国大統領に就任した際、「最も尊敬する政治家の一人」としてその名前を挙げた上杉鷹山。
ケネディ大統領は、前大統領から引き続いた不況打破のため、150年も前に倒産寸前の米沢藩を立て直した鷹山のことを学び、その考え方に影響を受けていたそうです。長女のキャロライン・ケネディが米沢市を訪問した際、ケネディが鷹山を称賛していたことに触れています。
そして今。日本のみならず世界中が混迷を極める中、家臣や領民の痛みを理解し、ともに分かち合いながら、前進を怠らない上杉鷹山のようなリーダーが脚光を浴びているのも頷けますね。
2回にわたり、お読みいただきありがとうございました。