祝・成人!1999年まで「成人の日」が1月15日 固定だったのは小正月の「元服の儀」が由来?
新成人の皆様、この度は誠におめでとうございます。
残念ながら、このコロナ禍で式典が中止される自治体もあると聞きますが、ともあれこれから共に社会を支える仲間として、心より歓迎いたします。
さて、今ではハッピーマンデー(1月の第2月曜日)となっている「成人の日」ですが、昔(※)は毎年1月15日に固定されていました。
(※)国民の祝日に関する法律(祝日法)が公布・施行された昭和23年(1948年)から、改正された平成11年(1999年)まで。
一体どういう理由があったのでしょうか?今回はそれを調べて、紹介したいと思います。
家内円満、豊年満作を祈願する小正月
1月15日は小正月(こしょうがつ)であり、元服(げんぷく。成人儀礼)の日取りとしてよく選ばれたことが由来のようです。
昔は男子の成人を元服(数え12~15歳ごろ)、女子の成人は裳着(もぎ。初潮~15歳ごろ)と分けていましたが、庶民の間にも普及した江戸時代以降は(公家などを除いて)男女ともに元服とし、年齢も18~20歳くらいまで引き上げられました。
小正月とは十五夜の満月をもって月の始まりとする日本古来の暦において、中国式の太陰太陽暦によって新月を朔日(ついたち)とする「大正月(おおしょうがつ)」が採り入れられるまで、元日だった日です。
(※)大正月と小正月の定義については諸説あり、大正月は1月1日~7日、小正月は更に~15日までと言われ、地域によっては現代でも1月15日までを「松の内」としています。
この日は小豆粥(あずきがゆ)を食べ、大正月に(親族や来客のもてなしなどで)忙しかった女性に楽をさせることで、女性が楽に暮らせるよう家内円満や豊年満作を祈願したことから、女正月(おんなしょうがつ)とも呼ばれます。
他にもお正月飾りなどを焼いて歳神を送る左義長(さぎちょう。どんど焼き)や、煮立てた粥に棒や竹管を入れ、くっついた(中に入った)米粒によって作物の豊凶を占う粥占(かいうら、よねうら)など、農耕に関する行事が多いのが特徴的です。