切ない…「子育て幽霊」墓の中で生まれた赤子のため、夜な夜な飴を買いに来る母の愛:2ページ目
飴を食べて生き延びた赤ん坊はどうなったか
子育て幽霊の話はいろいろなバリエーションがあり、墓の中で生まれ飴を食べて生き延びた赤ん坊のその後の話にも諸説あります。
その多くは、お寺に引き取られ修行を積み、大人になって高僧となった……というものです。
京都東山には幽霊に飴を売ったお店が
ちなみに、京都・東山には、幽霊に実際に飴を売ったとする450年以上の歴史を持つ「みなとや幽霊子育飴本舗」があります。
同店の由来書の中には、
「此の児八才にて僧となり修行怠らず成長の後遂に、高吊な僧になる。
寛文六年三月十五日、六十八歳にて遷化し給う。
されば此の家に販ける飴を誰いうとなく幽霊子育ての飴と唱え盛んに売り弘め、果ては薬飴とまでいわるゝに至る。」
という一文があります。
ちなみに、同じく京都の立本寺でも子育て幽霊の伝承があり、墓から助けられた子は出家し、立本寺第二十世・霊鷲院日審上人となったとしています。
子育飴は琥珀色の飴
京都の東山区「みなとや幽霊子育飴本舗」では、「幽霊子育飴」を販売しています。
伝承では、幽霊が買いに来た飴は「水飴」だったそうですが、現在ではこはく色の固形の飴として販売されています。
材料は、麦芽水飴と砂糖だけの添加物は一切入っていない飴で、どこか懐かしく優しい味わい。
小さなお子さんでも安心して食べることができる飴です。
墓の中で生まれたのにもかかわらず、無事に発見され高僧になったことから、幽霊子育飴は、「食べると出世する縁起のいい飴」ともいわれ、京土産としても人気があります。