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戦国時代、討ち取った敵の首はどうなる?首級が本物か確認する儀式「首実検」とは

戦国時代、討ち取った敵の首はどうなる?首級が本物か確認する儀式「首実検」とは

死に顔で分かる味方の吉凶・首級占い

さて、このようにして大将らの面前に差し出された敵の首級ですが、その面相(死に顔)によって吉凶が占われることもあったようです。

右眼(うがん):首級の視線が右に向いていると
左眼(さがん):反対に、左を向いていると
天眼(てんがん):上目を向いているとだが、武田家では吉
地眼(ちがん):下目を向いているとだが、武田家では凶
仏眼(ぶつがん):穏やかな死に顔は
片眼(かため):どちらか片目だけ閉じているのは
歯噛(はがみ):歯を食いしばっているのは

天眼と地眼について、武田家のみ解釈が吉凶真逆なのは興味深いですが、天眼は「敵を踏みつけた」ように見え、地眼は「敵に見下されている」ように見えるからでしょうか。

※逆に他家では、天眼は「視線が上に向いている≒まだ闘志を失っていない」ため凶、地眼は「目線が下がった≒既に闘志を失った」と解釈したのかも知れません。

ともあれ吉凶はその後の運命を大きく左右するため、こと凶相の首級については懇ろに供養することで、怨みを鎮めたと言われています。

他の首級についても、身分がある将については敵方に返還されたり、あるいは首塚(くびづか)などに葬られたりしました。

終わりに

敵を殺してその首級を奪う。その行為について、現代の価値観から見ると何と野蛮で残酷な、と思われる方がいるかも知れません。

しかし、往時の武士たちは命のやりとりをした相手に対するリスペクトを示すため、最大限の礼節をもってその首級を遇しこそすれ、死者を冒涜し、敗者を辱めるような非道を軽蔑しました。

死力を尽くして殺し合えばこそ、肌身に沁みて理解できる生命の尊さ。そのような極限状況の道徳が、後に「武士道」と呼ばれる独特な価値観を形成していくのでした。

※参考文献:
「歴史ミステリー」倶楽部『図解!戦国時代』三笠書房 

 

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