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平安時代から続く「衣替え」実は穢れを祓うための儀式でもあった一大イベント

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「穢れや厄が災いをもたらす」という考え方は、今の時代なかなか見えにくくなっているかもしれませんが、これは現代の日本人にも通じる感覚なのです。

例えば、ホコリやダニ、ハウスダスト。またカビや細菌。これらは少しずつ家や職場に積もっていきます。そして、喘息やアレルギーなどの病を引き起こします。

衣替えとは、単に冬服から夏服に装いを変えるためだけのものではありません。半年間の汚れをさっぱりさせて、健康を維持するための大切な行事なのです。そして、その更に半年後、冬場に行われる厄払いが年末の大掃除です。

幕府によって「衣替え」の時期が指示されていた

平安時代の衣替えは、鎌倉時代になると服装だけではなく、普段から持ち歩いている扇子などの道具を変えるようにまでなりました。

そして、江戸時代になると春夏秋冬と、1年で4回の「衣替え」を行うことが幕府によって定められ、なんと「衣替え」の日付までも指示されていたそうです。武士のみならず庶民に至るまでそれに従ったといいます。

そして、服装の上では、春や秋には裏地を縫い付けた「袷(あわせ)」、冬には袷に綿をいれて暖かくした「綿入れ」、夏には袷の裏地を外し単衣にした「帷子(かたびら)」をきるようになっていったのです。

やがて、衣替えそのものが、商業活動にも取り入れられるようになっていったのです。

参考

 

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