江戸時代、庶民はどんなもので手や身体を洗っていたの?先人たちの知恵「ぬか袋」を紹介:2ページ目
平安時代から親しまれた「ぬか袋」とは
調べたところ、江戸時代の庶民は「米ぬか(糠)」を使って身体を洗っていたそうです。
米ぬかと言えば、玄米を精米した時に削ったカスで、現代でもぬか漬けの漬け床(漬ける材料)や、家畜の餌としてお馴染みの方も多いと思います。
米ぬかには酵素と油脂が含まれていて、皮膚の老廃物を酵素が分解、油脂が毛穴から溶かし出すことで、これを流してさっぱりしたそうです。
しかし米ぬかは粉末状なのでそのままではいくらあっても流れていってしまいますから、絹や木綿などの端切れ布で小さな袋を作り、そこに米ぬかを入れて縫い込んだらぬるま湯に浸して水分を十分含ませ、やさしく撫でて使ったそうです。
この「ぬか袋」は日常用品としてよく使われましたが、あまりゴシゴシやると刺激が強すぎて、かえって肌を傷めてしまうので要注意です。
米ぬかで身体を洗う習慣は平安時代から親しまれていたそうで、こういう活用法を発見する先人たちの慧眼に驚かされます。
使用後は軽く絞って水分をよく切って陰干ししておかないと、すぐにカビが生えてしまうので気をつけましょう。