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教科書に載ってた肖像画は誰だったの?ようやく決着した足利尊氏の肖像画論争

教科書に載ってた肖像画は誰だったの?ようやく決着した足利尊氏の肖像画論争:2ページ目

疑惑の根拠は複数あり

疑惑の根拠は複数あります。まずその一つは、肖像画の人物の頭上に室町幕府2代将軍・足利義詮の花押があること。義詮は尊氏の子であり、義詮にとって尊氏は父でもあり、先の将軍です。そんな畏怖すべき人物の頭上に花押を押すということは、通常考えられません。

二つ目は、肖像に描かれた四万手(しおて・馬具の留め金部分)と目貫(めぬき・太刀の柄の部分)についている家紋。これらが尊氏が用いていた家紋と異なるということ。

足利家が代々から使用していた家紋は有名な「縦二引両紋」ですが、この肖像画に描かれた家紋は「輪違紋」。この時代の武士にとって家紋は大切なもので、ましてや将軍家の家紋を描き間違えるなどということはあってはならないはずです。

さらに三つ目は、肖像画の人物が乗っている馬が尊氏のの愛馬とは違うということ。尊氏が愛用していた馬は栗毛なのですが、肖像画に描かれた馬は黒馬である。武士にとっては馬も家紋と同様に大切なものであり、まして将軍の馬を間違えるというのは、ちょっと考えられません。

3ページ目 肖像画の人物は誰?本当の足利尊氏の肖像画はどれ?

 

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