もうすぐ世界遺産登録「仁徳天皇陵」の前方後円墳って結局どっちが前なの?様々な古墳のカタチも紹介:2ページ目
結局前はどちらなのか
そもそもこの通称、江戸時代後期の蒲生君平という学者が用いた名称。彼の古墳の研究書『山陵志』に初めて記され、定着しました。「必象宮車而使前方後円」と書かれており、陵墓の形を宮車と見立てて、円を人が乗る台座、四角い部分を車を引く輈(ながえ)として捉えたので方形が手前だと仮定したとのこと。
しかし本当はどちらが前なのか長い間不明でした。
近年の研究では、やはり円形の部分に死者が葬むられ、方形の部分は通路または祭祀を行う場所だと定義づけられています。なので、方形部分が手前と捉えて問題なさそうです。
また、墳墓が円形なのは古代中国の思想によるもので天を表し、方形は四角い地を表す「天円地方」の考えによる、という推理も。亡くなった王は円い天に葬られることにより神格化され、後の王は先代を祀り地上の支配者として君臨するという意味です。ちなみに貨幣にもそれが用いられ、丸い円に四角い穴が穿たれているのはその理由からといわれています。
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