語源はオランダ語。日本のランドセルが海外でも話題に?ランドセルの歴史を探る:2ページ目
その際に採用されたのが、背中に添えて両手をあけることができ、持ち運びの利便性が良かった、軍隊用の背のう(はいのう)です。この背のうがオランダ語で”ランセル”と呼ばれていたことから、”ランドセル”という言葉が生まれました。
現在の箱型ランドセルは、大正天皇が小学校入学の際に贈られたのが始まりです。その後、徐々に日本中の小学生に普及しました。
ランドセルはサブカルチャーなどにも取り入れられるようになりました。
1982年にシングソングライターの戸川純が、自らのライブステージに紺色のプリーツの吊りスカートにランドセルという姿で現れて一世を風靡します。また、1997年には、タレントの篠原ともえがランドセルをファッションとして採り入れ、話題を呼びました。
最近では外国人アーティストにも注目されはじめ、2014年3月頃、アメリカの女優ズーイー・デシャネルが赤いランドセルを背負ったことがきっかけで、若い人たちの間でもランドセルを身に着けることがブームとなりつつあります。
それに加え、最近のアニメ文化の流行により、日本のアニメを通してランドセルの存在を知った外国人が、日本旅行時にお土産としてランドセルを購入する例も増えてきており、空港や免税店など外国人向けのショップで商品として見かけることも多くなりました。
インテリアとしてもランドセルは注目をされ始めています。近年では、過去に使っていたランドセルを子どもの頃の思い出として残しておきたいとの需要から「ミニランドセル」として小型に再加工するビジネスも展開されています。
色やサイズ、ブランドなど、使う側の個性に合わせて選べるようになったランドセルですが、ランドセルには、日本の教育の根本的な考え方である「みんなが平等に学ぶ」という精神が受け継がれているんですね。