こいつぁ春から縁起がええ!新しくって面白い江戸時代のお正月の風景:2ページ目
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宝船の絵
江戸時代では1月2日の夜に見るのが初夢。人々はいい夢を見れるように宝船の絵を枕の下に敷いて寝ていました。
宝船図
喜田川季荘「守貞謾稿 巻26」国立国会図書館蔵
ちなみにこの宝船の絵には「長き夜の とおの眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音のよきかな」という長い回文が必ず書いてあります。どうです、下から読んでも同じ文章でしょう?
さて、この宝船もちゃっかり商売にしている宝船売りがいました。彼らは「道中すごろく、お宝お宝〜」などの売り文句で、すごろくや宝船の絵を売り歩いていました。
気の早い熊さん、さっそく表で宝船売りを掴まえて自分と奥さんの分を2枚購入し、「よぅし、これを敷いてぐっすり寝て良い夢見るぞォ〜!」・・・ちょっと待った、すんなりそうはいきません。だって、正月の2日はその年に初めて男女が布団の中で交わっていい日なんです(元旦の交わりは早く老けると言われ、江戸っ子は皆ガマンしました)!
こんなプチ修羅場も本当にあったかもしれません。↓
鈴木春信「風流艶色真似ゑもん」:Public Domain Museum of Art
意気込んで枕の下に宝船の絵を敷いたにも関わらず、夜の営みの方に燃え上がってしまった夫婦の川柳がこちら。「女房と 乗り合いにする 宝船」「宝船 皺になるほど 女房漕ぎ」・・・なぁるほどよっく分かった、いい夢ってそっちの事か!さてさて何はともあれ、こいつあ春から、縁起がええわえ!
作者不明「秋作 照葉」出典元:Public Domain Museum of Art
参考文献
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