なぜ戦国武将の幼名には「法師」「丸」「千代」が多いのか?そして大人になると「入道」になる理由:3ページ目
大人になったら「入道」
さて、ここまでは戦国武将の幼少期の名前について解説しましたが、大人になった彼らの中には「入道」と呼ばれた者が多くいます。
例えば北条早雲や上杉謙信、武田信玄、斎藤道三、龍造寺隆信、細川幽斎などが挙げられます。中でも武田信玄は分かりやすく「信玄入道」とも呼ばれていました。
「入道」は、先述した「法師」と同じく仏教に関係した名称です。出家して仏門に入った人のことを指し、北条早雲も上杉謙信も武田信玄も、仏門に入ったから「入道」と呼ばれたのです。
ただし、言うまでもありませんが、仏門に入ったからといって彼らが戦をやめ、殺傷を放棄したわけではありません。むしろ、入道となってからも大名としての地位を高めるべく、数々の合戦を戦っています。
戦国武将の多くが入道になったのは、いくつかの理由がありました。
その中でも最も大きな理由は、仏の力を借りてでも合戦に勝ち、領国をまとめあげたいと願ったからです。戦国の世は明日をも知れない不確定要素が多く、神仏の加護を期待せずにはいられなかったのでしょう。
画像:photoAC,Wikipedia