なぜ戦国武将の幼名には「法師」「丸」「千代」が多いのか?そして大人になると「入道」になる理由:2ページ目
「〇〇丸」「〇〇千代」その他
その他にも、戦国武将の幼名として多いのが「○○丸」「○○千代」というパターンです。
「○○丸」の名前がつけられた人物には、夜叉丸(加藤清正)、芳菊丸(今川義元)、梵天丸(伊達政宗)がいます。
また「○○千代」の名前は、竹千代(徳川家康)、虎千代(上杉謙信)、犬千代(前田利家)、鶴千代(蒲生氏郷)らがいますね。
両者の語源は何かというと、「丸」は実は「麻呂」がなまったもの。円のように完全な形を保っているというめでたい意味があります。
また「千代」には永久という意味があり、子供の末長い幸福を祈る名前として人気があったようです。
ちなみに、反対に、戦国武将の中にはこうしたよくある幼名ではなく珍しい名前をつけた人もいます。
織田信長は、自分の子供に三法師という普通の名前を付けたかと思えば、「奇妙」や「人」など、前衛的といってもいい奇異な名前をつけたこともありました。
また徳川家康は、蹴飛ばしても壊れないような道ばたの石という意味の「ごろた石」にあやかって、我が子の幼名を「五郎太(丸)」としています。
へそ曲がりというのはいつの時代にもいるもので、定番の幼名をつけなかったところに信長や家康の個性が垣間見えますね。