藤原定子の死後、一条天皇から寵愛された定子の妹「御匣殿(みくしげどの)」とはどんな女性?【光る君へ】:2ページ目
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一条天皇の寵愛を得るが……。
長女の脩子内親王(しゅうし/ながこ)は5歳、長男の敦康親王(あつやす)は3歳。そして次女の媄子内親王(びし/よしこ)に至っては生後2日目という幼さです。
対してこの子たちを託された御匣殿はまだ17歳くらい。とても母親代わりが務まるものではありません。
それでも大切な姉の遺児であり、自身にとっても大切な姪・甥ですから、必死になって母親代わりを務めたのでしょう。
乳母たちのサポートも受けながら、幼子たちの面倒に奔走する御匣殿の姿に、一条天皇は心惹かれるようになりました。
御匣殿は美しく控え目な性格だったそうで、定子を喪った悲しみを埋めてくれる存在として、一条天皇は御匣殿を寵愛するようになりました。
やがて彼女は懐妊。ここで皇子を生んでくれれば、没落した中関白家復活のチャンスが訪れる……伊周や隆家は大いに喜んだことでしょう。
しかし長保4年(1002年)6月3日、御匣殿は一条天皇の子を身ごもったまま亡くなってしまいました。享年17〜18歳と言われます。
定子に続き御匣殿までも喪い、一条天皇の悲しみはいかばかりだったでしょうか。
終わりに
……四の御方は、御匣殿と申しゝ。御かたちいとうつくしうて、式部卿の宮の母代にておはしましゝも、はかなく失せ給ひにき。……
※『大鏡』一 内大臣道隆より
今回は定子の死後に一条天皇から寵愛された御匣殿の生涯をたどってきました。
若くして姉の遺児たちを託され、必死に母親代わりを務める中で、ようやく自分の幸せを得られると思っていたのに……。佳人薄命を絵に描いたような女性でしたね。
果たして御匣殿はNHK大河ドラマ「光る君へ」には登場するのでしょうか。姉の藤原原子(げんし/もとこ)ともども、登場に期待しています!
※参考文献:
- 倉本一宏『人物叢書 一条天皇』吉川弘文館、2003年12月
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