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味わいに世界中がぞっこん!「ドーナツ」が日本で巻き起こしたブームとその歴史

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まさに「ミスター・ドーナツ」のミスタードーナツ

さて、そんなドーナツが日本で一気に流行するのは、やはり専門店が登場してからです。

本邦で登場した初めての専門店は、1971年のミスタードーナツだったと言われています。アメリカ企業と提携する形で大阪に出店したもので、さらに1970年代以降にはダンキンドーナツも出回るようになりました(その後、ダンキンは1998年に日本市場から撤退)。

この頃には、アメリカで完成したドーナツというお菓子は世界規模で知られるようになり、大量生産・大量消費の時代の象徴となっていきます。

もともとは素朴なお菓子として知られていたドーナツですが、中にクリームを入れたりグレーズをかけたりするなど、さまざまなバリエーションがみられるようになったのも、やはりミスタードーナツの登場以降です。

それからしばくの間は、ドーナツ・ブームも落ち着いた感がありましたが、2006年にアメリカのクリスピー・クリーム・ドーナツが日本に上陸し、ミスタードーナツを超えるお洒落さや目新しさを前面に打ち出したことで評判になり、新しいブームを生み出しました。

今では大手コンビニでも気軽にドーナツが買えるのはご承知の通りですが、これも2015年頃から始まった新しいブームだと言えます。

一方で、やはりドーナツショップの定番と言えばミスタードーナツでしょう。日本ではさまざまなライバル店が登場したものの、結局パイオニアが一番しぶとく生き残っている感がありますね。

材料もレシピも素朴で古典的、手軽で扱いやすいからこそアレンジもしやすく、時代に合わせてさまざまな作り方や売り方ができるのがドーナツの特徴です。昔ながらの味だからこそ逆説的に古びないという強みを生かして、これからもドーナツは多くの人に愛されていくことでしょう。

参考資料
ヘザー・デランシー ハンウィック『ドーナツの歴史物語 (お菓子の図書館)』原書房、2015年
グリコ栄養食品株式会社
東洋経済オンライン
JBpress

 

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