「鎌倉殿の13人」頼家と御家人たちに早くも溝が…第27回放送「鎌倉殿と十三人」振り返り:2ページ目
十三人と鎌倉殿の6人
若き頼家を補佐するために集められた宿老13名。しかしその内情は比企と北条の派閥争いで、結成当初から波乱含みの様相を呈しています。
【比企派】
- 比企能員
- 安達盛長(演:野添義弘)
- 中原親能(演:川島潤哉)
- 二階堂行政(演:野仲イサオ)
- 三善康信(演:小林隆)
【北条派】
- 北条時政
- 江間義時
- 三浦義澄(演:佐藤B作)
- 和田義盛(演:横田栄司)
- 足立遠元(演:大野泰広)
【中立?】
- 梶原景時
- 大江広元(演:栗原英雄)
- 八田知家(演:市原隼人)
数の上では比企派5名と北条派5名で互角。しかし義時はなるべく中立を保とうとしていること、また武蔵国に所領を持ち比企の影響が強いはずの足立遠元がちゃっかり北条派に入っていることなど、不安要素が見られます。
一方の比企派も姻戚関係で引き込んだ安達盛長があまり乗り気でないこと、そして接待して引き込んだ文官3名がどこまで比企に義理立てするかは不確実ですから、こちらも一枚岩ではありません。
最初から我こそが鎌倉殿にとって一の郎党であると確信している景時、そして比企の接待にも仏頂面を貫いた広元は終始中立(あるいは別派)を保つものと思われます。
そうなると気になるのが八田知家。賄賂の砂金はしっかりもらいつつ(何ならその香りも堪能しつつ)「俺は俺だ」と啖呵を切った彼が、どのように立ち回るのかが派閥争いの行く末を大きく左右することでしょう。
しかし、集結した13人の大半が単なる頭数合わせとなった本作の展開は新鮮でした。残念ながら、実際もそんな感じだったものと想像できます。
ちなみに「とっくに死んだ」佐々木秀義(演:康すおん)と「もうすぐ死ぬ」千葉介常胤(演:岡本信人)に少しでも言及があったのは、よかったのかどうでしょうか。
また、誰からも声をかけてもらえなかった土肥実平(演:阿南健治)。「死ぬ前にもう一度だけでも鎌倉殿のお役に立ちたい」と義時にすがったものの、軽くあしらわれてしまう姿は、何とも悲しいものでした。
暗に「もうお前らの時代は終わりだ」と引導を渡されたような思いがします。が、選ばれたメンバーだって結構な御高齢。まだ30代の義時が例外中の例外で、後はほとんど老人会の様相を呈しています。
一方、そんな宿老たちに対して頼家が結成した若武者たちがこちら。
- 小笠原弥太郎長経(演:西村成忠)
- 比企三郎宗朝(演:Kaito)
- 比企弥四郎時員(演:成田瑛基)
- 中野五郎能成(演:歩夢)
- 北条五郎時連(演:瀬戸康史)
- 江間太郎頼時(演:坂口健太郎)
「信じられるのは、こやつらだけ」そう言い放つ頼家。しかし6名中2名は比企派、もう2名は北条派の息がかかっており、詰めの甘さを否めません。
※ただし『吾妻鏡』では時連・頼時の代わりに和田朝盛(わだ とももり。義盛の孫)と細野四郎(ほその しろう)が入っており、頼家が北条よりも比企の影響をより強く受けていたことが判ります。
果たして狼藉御免とされた若者たちを引き連れ、頼家はどのように暴走していくのでしょうか。
3ページ目 どうなる、文覚!?土御門通親の暗殺未遂「三左衛門事件」