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「1日3食」は、戦乱と災害復興から生まれた習慣だった。やっぱり腹が減っては戦はできぬ…!

「1日3食」は、戦乱と災害復興から生まれた習慣だった。やっぱり腹が減っては戦はできぬ…!:2ページ目

菜種油で増えた「夜の時間」

こうしたお店が、災害復興のために働いていた職人たちに、お昼過ぎにご飯を提供したことにより、「1日3食」が武士のみならず一般の人々にも広まっていくきっかけになったと考えられています。

1日3食の習慣が広まったもう一つの要因「菜種油」については、この菜種油のおかげで「明かり」が普及したことが挙げられます。

それまで明かりに使われる菜種油は高級品でした。よって、人々は基本的に日が暮れたら何もできませんでした。菜種油を購入できるのも、上流階級の人たちに限られていたのです。

よって、人々は日暮れと共に寝る以外の選択肢はなかったのですが、だんだん物流が発展していったことにより菜種油も値下がりし、庶民に普及していきます。

そうして、夜なべ仕事に使える時間や遊べる時間が増え、活動時間が長くなることによっていきました。

このことから、必然的に食事の回数も3回に増えたのではといわれています。

今でこそ、1日3食が普通のように感じられますが、それも時代に沿ってどんどん変化していたことが分かります。

私たちにとっては、「食べる」という原始的・本能的な営みも、明かりの存在や、戦・労働などの要素によって、その在り方が大きく左右されていたことが分かります。

「1日3食」は体にいい、として何かと奨励されがちですが、それは時代毎の生活習慣の中で、私たちの体がそういうふうにできているから、なのでしょう。

生活習慣が異なれば、「1日2食」でもよいのです。「1日3食」をよしとする見方も、相対化することが十分可能なんですね。

 

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