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平安貴族も健康第一!百人一首の歌人・中納言朝忠が挑戦したダイエットを紹介

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実は、太っていたのは弟・朝成だった

というエピソードを、子供のころ学研まんがのひみつシリーズ『百人一首事典』で覚えていたのですが、実はこれ、朝忠の事ではなかったそうです。

このエピソードの出典は江戸時代の百人一首解説書『百人一首一夕話(ひゃくにんいっしゅひとよばなし)』

その作者は『宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)』などに収録されている「三条中納言水飯事」の三条中納言を朝忠と勘違いしたものと考えられています。

では、この三条中納言とは誰かと言うと、朝忠の弟である藤原朝成(あさひら。延喜17・917年生〜天延2・974年没)。

彼はただ水漬け飯をサラサラ食うだけではなく、おかずに瓜の漬物(干瓜)十本、鮎鮨(あゆずし)三十尾を平らげたと言います。

「……あのね、味を足したら意味がないでしょうが」

現代なら野菜サラダが味気ないからとドレッシングやマヨネーズをドバドバかけてしまうような感覚でしょうか。

確かに、味気ない料理をモサモサ食べていると、もう食べたくないと思うのか、早く満腹になる(なってしまう)感覚がありますよね。

「うるさい!食いたいものを食いたいだけ食わずして何が人生じゃ!」

「……やれやれ」

終わりに

こうして朝成のダイエットは見事に失敗。その晩年には相撲取りのような体格になったそうです。

水漬け飯で腹を膨らませる発想は悪くなかったものの、よく噛んで食べないと、なかなか満腹中枢が刺激されず、つい食べすぎてしまうもの。

よく噛みしめて、腹八分。何かと忙しく早食いになりがちな現代人も、健康的な食事を心がけたいものですね。

※参考文献:
竹本みつる『学研まんが ひみつシリーズ まんが百人一首事典』学研プラス、2018年12月
尾崎雅嘉『百人一首一夕話』岩波文庫、1972年12月

 

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