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平安の没落貴族と皇女の悲恋。身分の違いが生んだ許されざる恋の結末

平安の没落貴族と皇女の悲恋。身分の違いが生んだ許されざる恋の結末

道雅と当子内親王を待ち受ける悲しき恋の結末

(「伊勢の斎宮わたりよりまかり上りて侍りける人に、忍びて通ひけることを、おほやけも聞こしめして、守り女など付けさせ給ひて、忍びにも通はずなりにければ、詠み侍りける」と紹介されている。)

しかし内親王の父三条院は2人の仲を知ると激怒。この理由には中関白家が当時権力を握っていた藤原道長にとって、長年の政敵だったため道長の目を気にしたと言われている。

これにより道雅は左遷され、2人の恋の手引きをした乳母は追放。当子内親王は厳しい見張りの下での生活を強いられ、道雅とは二度と会えなくなった悲しみから出家。その6年後に21歳という若さでこの世を去った。

その後、不遇の人生を送った道雅は人を殺させたり、暴行事件を起こしたりと荒れに荒れ、「荒三位」「悪三位」という不名誉なあだ名を付けられている。

二度と会うことが叶わなくなった当子内親王への想いを詠んだ道雅のこの和歌は、藤原定家による百人一首にも選出され、1000年の時を超えた現代にまで伝わり詠み継がれている。

 

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