日本アニメの源流は平安時代?平安美人の肖像画に秘められた世界に誇る日本アニメ文化の真実:2ページ目
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抽象的な日本人の肖像画
現代のアニメに登場する美少女キャラクターたち。絵のタッチに多少の差異はあれど、大きな瞳に小さな口、面長過ぎずないやや丸顔の輪郭をした可愛らしい顔という点では、概ね共通しているのではないでしょうか。
では、今の世の中を見渡した時、アニメの美少女キャラクターみたいな人たちが現実世界にたくさんいるのかと言われれれば、ほとんどいないですよね。つまり、今の美少女キャラクターも、現在の美的感覚を抽象化して描いたものなのです。
今と昔で美的感覚は大きく変化していますが、「美的感覚を抽象化している」という点でうは、平安美人もアニメの美少女キャラクターも全く変わっていないのです。
この「抽象化」こそ、日本人の得意とするところなのです。例えば、西洋の偉人の肖像画を思い浮かべてみてください。わかりやすいところでは、小学校の音楽室に飾られていたベートーベヴェンなどの音楽家がイメージしやすいかもしれません。西洋の肖像画ってとても写実的でリアルに描かれていますよね。
一方、日本の偉人たちを描いた肖像画を思い浮かべてみると、写実的とは程遠いタッチで描かれています。平安美人だけでなく、織田信長や源頼朝と伝わる肖像画も、決してリアルではありません。明らかに「絵」です。そして、現代のアニメも同じで、可愛らしいキャラクターではあっても写実的ではありません。
この「人物を抽象化する技」を、日本人は古来より得意としてきました。平安時代よりもさらに遡れば、埴輪や土偶なども人や動物などを抽象化したものですし、太古の昔から日本人の遺伝子には「抽象化して表現する」ことが刷り込まれているのかもしれませんね。
そして、その遺伝子が現在まで受け継がれ、世界に誇る日本のアニメ文化として花開いているのです。
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