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明治時代、二宮尊徳を超える財政システムを追求した渋沢栄一と西郷隆盛

明治時代、二宮尊徳を超える財政システムを追求した渋沢栄一と西郷隆盛:2ページ目

栄一、西郷さんに「興国安民法」を解説

栄一が訪ねると、西郷さんは真にキッパリ「まったく知らん」と答えます。

知らんものを「廃止するな」と陳情するとは、理屈が通らない話ではあるが、恐らく西郷さんのこと。他でもない自分を恃みにした以上、その善悪は度外視して必ず応える。そういう信念があるのでしょう。

その上で、必要とあらば自分のような目下(めした)の者であろうと、謙虚に頭を下げ、教えを乞うことを厭わない……その大器に呆れ半分、感心半分で、こんなこともあろうかと調べておいた「興国安民法」を西郷さんに教えたのでした。

【渋沢栄一がざっくり解説!興国安民法】

一、過去180年間における藩の収入統計を作成する。
一、その180年間を60年ずつ「天・地・人」の3期間に分割する。
一、「天・地・人」それぞれの平均収入額を算出する。
一、3期間の平均値を比較し、中央の値を「藩の標準収入額」とする。
一、今度は180年間を前後90年ずつ「乾(けん)・坤(こん)」に2分割する。
一、「乾・坤」それぞれの平均収入額を算出する。
一、それを比べて、低かった方の数値を「藩の支出限度額」とする。

……全体を三つに分けた内の中央値を収入額、二つに分けた内の低い値を支出額と設定することで、収入>支出となるように計らったというものです。

説明を聞いた西郷さんは「……さっぱり珍紛漢紛(チンプンカンプン)じゃが、要するに『入るを量りて出ずるを為す(収入を元に支出を管理せよ)』という事じゃろう」と、エクストリームに納得。

「まぁ……とりあえず、そういう解釈で大丈夫です(この人に経済の詳しい理論を話しても解らないだろうし、そもそも話の本質ではないし)」

「……であればまことに結構な法律であるからして、廃止するには及ぶまい」

「いかにも、西郷さんの仰る通りです……」

お、あっけなく論破か?あまり口が達者でない西郷さんが、経済通の栄一を説得できたかと思ったのですが……。

3ページ目 よりよい知恵を結集し、日本国全体に活かしたい

 

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