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着物も障子もお雛様も。日本の伝統では右より左が格上の「左方優先」である理由

「左方優先」は着物も障子もお雛様も

起源は古代中国

京都市内の地図を見て思ったことはありませんか。右が左京区、左が右京区。どうして逆なの?と。これは天皇から見ているから。

京都はなぜ左京区が右側、右京区が左側なの?それは「天子南面す」という考えに基づく

京都市には11の区があります。11の区の中には、「左京区」と呼ばれる区と「右京区」と呼ばれる区も含まれていますが、地図を見ると、左京区は右側(東側)、右京区は左側(西側)にあります。そのわけは…

古代中国において天子は全天で唯一不動の星である北極星に例えられました。それゆえ天子の宮殿は都の北端に築かれ、その玉座は北極星を背にしておかれます。

これに倣い日本でも天皇のおわす内裏(だいり)は都の北端にあります。内裏に座して南に広がる都を見るとき、天皇の左が東、右が西になります。東は太陽が昇る方角。

この世を明るく照らし、ぬくもりを与え、作物を育ててくれる太陽。それは世界中のあらゆる古代文明において崇拝の対象、神の象徴でした。日本においても天皇は太陽神である天照大神(あまてらすおおみかみ)の子孫とされます。

このように、尊い太陽が天皇の左手から昇るため、左が神聖なものとなったのです。

実は「右」とは「水極」つまり水が「み」な「ぎ」る様子、そして「左」は「火足」つまり「火」が「足り」ている状態、ともされます。中国の思想を借りてくる以前から、日本でもやはり左が火(日・陽)、つまり太陽と関わりが深いことがわかります。

みなさんも尊敬する上司や先輩と並ぶときには、自分の左に立場が上の人がくるよう意識してみてください。

 

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