女学生は髪を切ってはいけない!?校則問題は太平洋戦争前の女学生にもあった:2ページ目
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髪を切ってはいけない理由は…やっぱり「なんとなく」だった!
それにしても、なぜ昭和に入ってからも敢えて女学生たちに対し「髪を切ってはいけない」という校則を押し付ける必要があったのでしょうか?
これについて、興味深い記録が残っています。当時、大阪の高等女学校の校長が「なぜ女学生は髪を切ってはいけないのか?」と記者に質問され、このように答えたというのです。
「特にこうという理由はないが、小学生ならばともかく女学生くらいの年頃になったら伸ばした方がいい」
「女学生は洋服だから、髪くらいは日本古来の女性のように長くするべき」
「挨拶をするとき、髪が短い女子は髪が前へバサッとなり行儀が悪い」
どれも「後付け」のような理由ばかりです。
しかし校長はこのとき
「統制という問題も含まれている」
とも明言していました。
当時は太平洋戦争直前という、日本が戦争にまっしぐらだった時代。おそらくこれこそが、女子の断髪を禁止した一番の理由なのでしょう。
現代の日本では、女性の髪形だけでなく様々な面が「自由」になったといわれますが、学校卒業後の就職や結婚・出産の「適齢期」の概念など、人生における「多様性」という面ではまだまだ「右へならえ」の印象を受けます。
もしかしたら「学生時代の厳しい校則による『統制』」が、功を奏しているのかもしれませんね。
参考
- 『ザ・歴史トリビア』著:西沢教夫/廣済堂
- 校則あるある?中学校や高校の厳しすぎる理不尽で面白い例30選!
- 4月5日は『ヘアカットの日』明治時代、女性は簡単に髪を切れなかったって本当?
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