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神社参詣の楽しみ「おみくじ」の普及は、女性の地位向上運動が関係していた

神社参詣の楽しみ「おみくじ」の普及は、女性の地位向上運動が関係していた:2ページ目

そのきっかけとなった人物が同神社の21代目宮司である宮本重胤(しげたね)。重胤宮司は、神道には本来女性をけがれとみなす思想はなかったことから、女性神主の登用を提言し、女性参政権をいち早く訴えました。

そして、女性の地位向上を目的として、明治38(1905)年に大日本敬神婦人会を設立。翌年に「女子道社」を設立し、機関誌『女子道』を発刊します。「おみくじ」は、その活動資金として充当するようになりました。

同団体は、歴史の教科書にも出てくる「青鞜社」よりも結成が早く、女性の自立を訴える組織としては、日本で最初の団体だったともいわれています。重胤宮司はさらに我国最初の自販機でもあるおみくじの自動頒布機も開発し、これを全国に普及させようとしました。

また、22代目の宮本清胤宮司はこれをさらに改良。硬貨を入れると灯ろうに灯がつき、音楽が流れ、おみくじの出る新型として販売し始めました。

アイディアマンの宮司が女性の社会的地位を向上させようと活動したからこそ、現在ほぼどこの社寺に行っても引くことができるようになったのですから、意外な歴史の流れですね。

二所山田神社

山口県周南市大字鹿野上2898
中国自動車道 鹿野ICから車で3分。
二所山田神社 公式サイト

参考

 

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