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日々是精進・生涯現役…禅を究めた幕臣・山岡鉄舟の修行時代エピソード

日々是精進・生涯現役…禅を究めた幕臣・山岡鉄舟の修行時代エピソード

幕末三舟(ばくまつさんしゅう)の一人として、勝海舟や高橋泥舟と共に活躍した山岡鉄舟(やまおか てっしゅう)。

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明治維新における重要な役割を果たした鉄舟は剣・禅・書を究めた達人としても知られますが、若き修行の時代がありました。

今回は、そんな山岡鉄舟の修行時代のエピソードを一つ紹介したいと思います。

「真に一切皆空ならば……」独園和尚との出逢い

剣禅一如(けんぜんいちじょ。剣と禅は一つのようだ≒相通じている)」とは剣豪でもあった戦国末期~江戸初期の禅僧・沢庵(たくあん)和尚の言葉ですが、若き鉄舟は剣術と共に禅にも強い興味があり、様々な寺へ参禅(さんぜん。禅を学ぶこと)していました。

当初は熱心に学び、多くの知識を蓄えたまではいいのですが、あちこちでおだてられていく内、次第に「自分はもう禅学を究め、悟りの境地に達した」と傲慢になっていったようです。

そんなある時、京都・相国寺(現:京都市上京区)の住職である独園(どくおん)和尚を訪ねた折、いつものように自らの「悟りの境地」を滔々と語り聞かせたのでした。

「……禅の奥義とは一切皆空(いっさいかいくう)すなわち無であり……」

2ページ目 和尚、木魚のばちで鉄舟の頭をポカリ…

 

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