江戸吉原の甘酸っぱい夜♪ を彩った名物スイーツ「甘露梅」ってどんなものなの?:2ページ目
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川柳にも詠まれ、親しまれた甘露梅
殿方の楽園・吉原で作られた甘露梅は、当時の高級品であったお砂糖をふんだんに使い、ひょっとしたらイケメン男芸者が作ったかもしれない…。旦那様の遊びに手を焼きつつも、甘露梅のお土産を前にすると複雑な心境になる奥様方は多かったらしく、甘露梅は多くの川柳に詠まれています。
『寺からと 女房を騙す 甘露梅』の句は、吉原近辺に寺が多かったのをこれ幸いとばかりに寺参りのお土産と嘘をつく男性の心境を詠んでいます。
一方、『甘露梅 内儀の口に 唾がたまり』は夫を叱責しようとするが、銘菓の味を思うと叱れなくなってしまう女性の視点から詠まれた一句です。
このようにして人口に膾炙した菓子だったためか、甘露梅の名は、全国各地で特色ある梅の和菓子の名称として使われはじめました。
小田原では砂糖漬けにした青梅の代わりに餡入り求肥餅を紫蘇に包んだものが、江戸時代から作られ続けています。他にも、山形では砂糖と蜂蜜を使ったのし梅が甘露梅として名物になり、和歌山には紫蘇に包まないで砂糖に漬けるお店が今もあるなど、甘露梅は姿を変えて現代でも親しまれて続けています。
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