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妖怪まんがの巨匠・水木しげるの絵には元ネタが!『ゲゲゲの鬼太郎』登場キャラたちの由来を紹介

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『ゲゲゲの鬼太郎』の妖怪たちは…

さて、では水木しげるは主に何を元ネタにして「妖怪」たちを生み出していったのでしょうか。これについては、インターネットで検索すると、元ネタを調べた人が書いた調査報告レポートがいくらでも見つかるので、気になる方は調べてみるといいでしょう。

そのひとつの事例として面白いのは、有名な『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラクターたちを描くにあたり、水木は何を元ネタにしたのか、という点です。

ゲゲゲの鬼太郎と言えば知らない人はいないと思いますが、主人公である鬼太郎の周辺には、彼をサポートしてくれるメインの妖怪たちがいますね。例えば子泣き爺、砂かけ婆、ぬりかべ、一反木綿、あとはねずみ男に猫娘などがあげられます。

実はこのうち、子泣き爺、砂かけ婆、ぬりかべ、一反木綿は柳田國男の『妖怪談義』という著作で紹介されている、もとは民間伝承で名前のみが伝わっていた妖怪たちです。そしてねずみ男と猫娘は、水木のオリジナル創作妖怪です。

一方、鬼太郎の敵キャラである妖怪にもおなじみの連中がいますね。まくら返し、雪女、おとろし、ぬらりひょん、牛鬼…。実はその多くは、江戸時代の絵師である鳥山石燕が描いた『画図百鬼夜行』が参照されています(それ以外のものや、水木の創作妖怪もいます)。

妖怪画といえばこれ!水木しげるも参考にした、江戸時代 鳥山石燕による妖怪図鑑「画図百鬼夜行」

鳥山 石燕(とりやま せきえん)という名前を聞いて「あぁ、あの人ね」とわかってしまう人はかなりの妖怪マニアの可能性。筆者は恥ずかしながら今回調べるまで知りませんでしたが、江戸時代後期に活躍した浮世絵師…

水木がどこまで意識していたかは分かりませんが、少なくともゲゲゲの鬼太郎の世界では、鬼太郎の味方になる妖怪は『妖怪談義』から、敵になる妖怪はそれ以外の『画図百鬼夜行』などから、元ネタを引っぱってきていたという区別があるわけです。

水木による妖怪画に、子供の頃に親しんだという人は少なくないでしょう。そして今、大人になってその元ネタが気になるという方は、まずは柳田國男の『妖怪談義』と、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』を読んでみることをおすすめします。どちらも文庫で簡単に手に入りますよ。

きっと、そこに描かれている妖怪を見て、「これ、水木しげるの妖怪事典で子供の頃に見たヤツらだ! これが元ネタだったのか!」とびっくりすることでしょう。

【参考資料】
柳田国男著作集6
国書刊行会『鳥山石燕 画図百鬼夜行』

 

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