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「どうする家康」名門今川家、ついに滅亡!最後に残されたのは…第12回放送「氏真」振り返り:2ページ目
【史実篇】一度は駿府に返り咲いた氏真だが……
大河ドラマだとこれで氏真退場となるのでしょうが、『徳川実紀』だともう少し続きがあります。
……君にはさすがに今川が舊好をおぼし召。氏真が愚にして国を失へるをあわれみ給ひ。山縣昌景が駿府の古城を守り居たるを追おとしたまひ。北條と牒し合わせられ氏真を駿府にかへりすましめんと。城の修理等を命ぜられたり。この経営いまだとゝのはざる間に信玄入道かくと聞て大に驚き。また駿府城にせめ来り。城番の岡部などいへる今川の士を味方に招きその城ふたゝび奪ひ取る。氏真は兎角かひゞゝしく力をあはする家人もなければ。後には小田原にて北條がはごくみをうけて年を送りしが。北條氏康卒して後氏政が時に至り。小田原をもさまよひいでゝ浜松に来り。当家の食客となりて、終りける……
※『東照宮御実紀』巻二 永禄十二年「信玄背約」
【意訳】家康は今川家の恩義を忘れず「氏真様が愚かであった自業自得とは言え、国を失ってしまったのは哀れでならない」と、山県昌景(演:橋本さとし)が占拠していた駿府城を攻め落としました。
これで氏真を再び駿府に迎えられると城を修復していたところ、信玄は再び駿府へ攻めて来ます。城を守っていた岡部元信(演:田中美央)を調略すると、氏真は守る手立てを失って再び駿府を奪われます。
そして小田原の地で北条氏康(ほうじょう うじやす)に保護されたものの、やがて氏康が亡くなると肩身が狭くなったのか、恥を忍んで家康の食客となって生涯を終えたのでした。
……劇中では信玄の影にガクブルしていたとは思えない強さで駿府城を奪い取った家康。そのまま居座るだけの余裕もなかったし、氏真の顔を立ててやろうと譲ったまではよかったのですが、大いに怒った信玄によって再び奪い返されてしまいます。
劇中では今川家中で最後に残った一人として描かれた岡部元信が、ついに愛想を尽かして武田家へ寝返ってしまったのでした。
小田原へ逃げた氏真夫妻、早川郷に住んだため糸(この名前は創作)は早川殿と呼ばれています。
やがて氏康が元亀2年(1571年)に世を去ると、家督を継いだ北条氏政(うじまさ。氏康嫡男)は武田との同盟を復活。居場所のなくなった氏真夫妻は家康の元へ身を寄せます。
その後しばらく家康の配下として対武田戦に従事し、いっとき牧野城主に任じられるなど出直しかと思いきや、やはり将としての才能はなかった模様。程なく解任されてしまいました。
晩年にはすっかり武と無縁な暮らしを送り、慶長19年(1615年)12月28日に江戸で78歳の生涯に幕を下ろしたということです。
3ページ目 糸(早川殿)は足が悪かった?彼女を迎えた婚礼の様子は
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