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【日本語の美しさ】雪洞と書いて「ぼんぼり」と読むのはなぜ?その語源を紹介します

【日本語の美しさ】雪洞と書いて「ぼんぼり」と読むのはなぜ?その語源を紹介します

漢字表記は他にも雪灯(樋口一葉)と書く例があり、文字通り雪灯りのぼんぼり感が出て風情がありますね。

雪灯を片手に縁(縁側)へ出(いづ)れば天井の鼠がたがたと荒れて、鼬(いたち)にても入(い)りしかきゝといふ聲もの凄し。

※樋口一葉『われから』より

電気が普及していない時代、庶民の灯りは火に限られていました。裸火は危ないのでなるべく覆い、そのぼんぼりとした光を頼りに夜を過ごしていたのです。

終わりに

♪金のびょうぶに うつる灯を
かすかにゆする 春の風……♪

※サトウハチロー作詞「うれしいひな祭り」

現代でこそ間接照明やキャンドルなどムーディなライトアップを楽しんでいられますが、当時の人々にとってはその頼りない光が視界のすべて。迫りくる夜闇を振り払うように暮らしていました。

現代に比べて乳幼児の死亡率も高かった暗い世の中。どうかウチの娘が健康で幸せに暮らせますように……雪洞の儚げな灯りに照らされながら、家族たちは強く願ったことでしょう。

※参考文献:

  • 『日本民俗大辞典 下 た~わ』吉川弘文館、2000年3月
 

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