京都駅には美術館もあります 美術館「えき」KYOTOで『紙のジャポニスム』開催中
京都駅。4代目である現在の駅舎が建てられた時には「デカ過ぎる」とその威容が景観面で問題となり、現在も「みやび」や「はんなり」といったイメージを重視する観光客の方にはモダン極まるデザインが若干不評ですが、それでも今年でもう、15周年。山陰線のホームが果てしなく遠くなったことを除けば、地元の人にはおおむね馴染んでいるようです。
大きい駅舎の中には、劇団四季の劇場や伊勢丹、JR直営のホテル、お土産屋に飲食店、果てはラーメン小路と、様々なテナントでいっぱい。ついこの間までは手塚治虫ワールドなるものまであり、駅前には某10万馬力のロボットのオブジェが飾られてたんですが、あれ、どこ行ったんでしょうか。
それらのテナントに混ざり、京都駅には美術館もあったりします。伊勢丹の一部という扱いですが、その名も『美術館「えき」KYOTO』。現在は切り絵作家・久保修さんの画業40周年記念展覧会『久保修 切り絵の世界展 – 紙のジャポニスム – 』を開催中です。
久保さんは、大学で建築を学んでいた際にパース制作で紙を切るおもしろさを知り、独学で切り絵を学び、作家にまでなった人。使う和紙を自分のイメージするで染めたり、パステル・布・砂といった素材も取り入れた手法で、切り絵のイメージを一新する作品を生み出しています。
鴨川の川床を描いた『夏の風物詩』や、都をどりの頃の祇園を思わせる『老舗の春』など、京都の四季を描いた作品も展示。「やさしく」とか「淡く」描かれることが多い京都の風景を、それこそ建築図面のようなスクエアなラインで、でも切り絵ならではの温もりも感じさせるテイストで描いてるあたりは、興味深いものがあるのではないかと。
展覧会目当てで行くのはもちろん、京都駅で時間が出来た時に立ち寄ってみるのもいいんじゃないでしょうか。期間は7/16まで。夜は20時までやってます。
美術館「えき」 – JR KYOTO ISETAN