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口は禍のもと?江戸時代の武士道バイブル『葉隠』が教える”物言いの肝要”とは?

口は禍のもと?江戸時代の武士道バイブル『葉隠』が教える”物言いの肝要”とは?

とは言うものの、さすがに一言も発しないではいられない、意思が伝わらない場面も実際にはありますから、そういう時だけは必要最小限の言葉で筋道を立てて理解しやすいように伝えるのがいいでしょう。

むさ(むざむざ)と考えなしの口を利いたがために、恥をかいてしまい、周囲の者から失望されてしまうことは昔から多いもの。

ちなみに、むざむざとは「不注意なさま」「価値あるものが失われる(無残な)さま」などを表し、本来は重い価値を持っていた言葉が、不注意に使われたためにその価値を失ってしまうことを『葉隠』は嘆いています。

終わりに

確かに言葉はその人を表すと言いますから、慎重に選んで使うべきなのですが、何事も即レスを求められる現代社会では、なかなか一返事ごとに沈思黙考とは行かないもの。

とは言っても、ひとたび口にすれば取り返しがつかないのもまた事実ですから、ひと呼吸おいて節度ある受け答えを心がけたいものですね。

※参考文献:
古川哲史ら校訂『葉隠 下』岩波文庫、2011年12月

 

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