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アニメ「鬼滅の刃」でブームのチャンス!?竈門炭治郎の職業「炭焼き」ってどんな仕事?

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終わりに

また、炭焼きは単に燃料供給だけでなく、自然環境を保護する観点からも大切な日本文化と言えます。

木炭の原木には色々ありますが、その多くは楢(ナラ)や樫(カシ)、椚(クヌギ)と言った広葉樹で、こうした樹木を育てて伐るサイクルを保つ(要するに山を手入れする)ことで山林の植生が活性化。

針葉樹に比べて広く深く根を張るので保水力が高く、洪水や山崩れを防ぐばかりか、動物たちの餌となる木の実も多くならすため、昨今問題となっている野生動物の出没も低減。更にはスギのような花粉も少ないため、花粉症の軽減にも寄与します。

とかく「木を伐らず、そのままにしておく事こそ自然保護なのだ」と主張される方もいますが、完全な原生林ならともかく、古くから人々が利用してきた里山は、人間社会との適切な距離感によって共存してきたのです。

いつか「鬼滅の刃」ブームが去っても、炭焼きをはじめ日本の里山文化を継承する産業が継承され、自然と共生できる持続可能な社会を望みます。

※参考:
東京燃料林産株式会社

※参考文献:
原伸介『ボクは炭焼き職人になった-怒涛の独立編』新風舎、2004年8月
原伸介『ボクは炭焼き職人になった-修羅場の修行編』新風舎、2004年8月
虫明功臣 監修『ダムと緑のダム 狂暴化する水災害に挑む流域マネジメント』日経BP、2019年12月
宮澤正義『クマは警告する』ほおずき書籍、1999年3月

 

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