4月29日は「昭和の日」だけど…以前は「みどりの日」だったって覚えてる?:2ページ目
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天皇誕生日⇒みどりの日⇒昭和の日……4月29日の移り変わり
昭和天皇のご在世中、天皇陛下のお誕生日である4月29日は元々「天長節(てんちょうせつ。現:天皇誕生日)」という祝日です。
しかし、昭和天皇が崩御され、皇太子殿下(現:上皇陛下)が即位されると天皇誕生日が12月23日に変更、4月29日は祝日でなくなる予定でした。
しかし、4月29日は5月3日~5日の「ゴールデンウィーク」につながって大型連休を構成する重要な祝日となっており、国民生活への影響を懸念されたため、祝日としての存続が図られます。
そこで「昭和天皇は植物に造詣が深く、自然をこよなく愛されていたから」という理由で「みどりの日」とされたのでした。
また別案として、昭和天皇が生物学者として多くの研究成果を残していた事績から「科学の日」とする意見もあったようですが、いずれにしても昭和天皇の人柄を後世に伝える縁(よすが)となるよう、熟慮しての事でしょう。
その後「激動の昭和を生き抜かれた先人たちと、その象徴たる昭和天皇の事績を後世に伝えたい」という人々の熱い思いによって、平成十八2006年に4月29日を「昭和の日」に制定。みどりの日は「国民の休日」であった5月4日に移動して今日に至ります。
終わりに
今年は新型コロナウィルスの感染を予防するため外出自粛が呼びかけられており、せっかくのゴールデンウイークも#StayHome予定の方が多いと思います。
そこで、4月29日は心静かに激動の昭和を生き抜いた先人たちに思いを馳せ、現代の平和と豊かな自然に感謝する一日としたいものです。
※参考文献:
松村明 編『大辞林 第三版』三省堂、2006年
小林よしのり『ゴーマニズム宣言SPECIAL 昭和天皇論』幻冬舎、2010年
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