実は心眼の使い手だった!?新選組の独眼竜「平山五郎」の生涯【二】:2ページ目
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芹沢の尊攘思想に心酔、その片腕に
さて、健司をブッ飛ばされてしまった水戸の連中は、腹の虫が収まりません。
「あの姫路の片目野郎、斬っちまおうぜ!」
「おう、六番組は水戸の志士だけでいい、よそ者は叩き出せ!」
……そんな具合で血気盛んな若い者たちが口角泡を飛ばしていると、芹沢鴨が帰って来ました。
「「「芹沢先生!」」」
「例の片目だろ?新見から聞いた……気持ちは解るが、あいつは利用できそうだ……お前ら、俺が許可するまで手を出すな」
「「「しかs『解ったな?』……はい」」」
「安心しろ、俺にも考えがある。お前らの怒りを無駄にはしねぇよ……さぁ、明日は京都へ出立だ。尽忠報国の志を遂げるため、今夜は英気を養おうぜ」
「「「はい!」」」
「ここは俺が奢ろう、誰かいい店を知らないか?」
「はい先生、俺が席をとって来ます!」
「あと、あの片目も呼べ……ヤツとじっくり話がしたい」
「分かりました、探して来ます」
所詮はただの乱暴者だろうが、どれほど利用できるか見定めてやろう。たとえ敵でも胸襟を開いて迎え入れ、深みにはめて最後に殺す……それが芹沢のスタイルでした。
そんな芹沢に「大器」を見出したのか、酒席に招かれた五郎は、彼の尊攘思想にすっかり魅入られて「芹沢先生こそ、尽忠報国の志士なり」と確信。先ほどブッ飛ばした健司をはじめ水戸の暴れ者たちと和解し、芹沢の片腕として認められていきます。
【続く】
※参考文献:
永倉新八『新撰組顛末記』新人物往来社、2009年
箱根紀千也『新選組 水府派の史実捜査―芹澤鴨・新見錦・平間重助』ブイツーソリューション、2016年
流泉小史『新選組剣豪秘話』新人物往来社、1973年
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