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当時の針は1本いくら?蕪との物々交換について考察

劇中、市場においてまひろたちが蕪(かぶ)と針の物々交換を求めるも、商人に断られてしまう場面がありました。

商人の様子を見る限り、物々交換を禁じられているからというより、純粋に蕪の価値が低かったのだと思われます。

ところで、当時の針はいくらくらいの価格だったのでしょうか。

具体的に針がいくらだったのかを記した史料は見つけられませんでした。

ただ、参考として『延喜式』に針の原料となる鉄の物価(米との交換レート)を見つけたので、これを元に推測してみましょう。

『延喜式』によると、鉄と米と交換レートは鉄一挺(三斤五両)につき米五束。重量単位については諸説ありますが、鉄2キロあたり米15キロと仮定しましょう。

米の価格はピンキリながら、今回は1キロ400円として、15キロなら6,000円。
つまり鉄は2キロで6,000円、1キロあたり3,000円と仮定します。
さて、鉄1キロで何本の針が作れるのでしょうか。

現代の一般的な縫い針は1本あたり0.25グラムとのこと。

ただ、縫う生地によってより太くて長い針も必要なので、ここは計算を簡単にするため1グラムと仮定しましょう。

1キロは1,000グラムなので、鉄1キロから針は1,000本作れますね。

つまり針1本の原料原価は3円と割り出せました。

ここに自分の人件費や針の製作コストを上乗せし、ある程度のセットにすれば針の価格が求められます。

今回の商人がどこまでシビアに商売をしているか、固定費はいくらなのかは本人に聞かないと分かりません。

例えば住まいが借地であれば、地主に支払う地代(借地賃料)などもあるし、針を研ぎ出す工法によってもコストは違うはずです。

結局ハッキリしたことは分かりませんが、手間賃やコストを2~7円とすると、針1本の売価は5~10円。10本セットで50~100円と仮定できました。

まひろの出した蕪には、それだけの価値がなかったことが考えられます。

蕪の市場価格についてヒントとなる史料を見つけたら、そっちについても考えてみたいですね。

4ページ目 相次ぐ国司の横暴…「尾張国郡司百姓等解文」事件について

 

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