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「鎌倉殿の13人」ここでタイトル回収!宿老たちの合議制に頼家が反発…第27回放送「鎌倉殿と十三人」予習

「鎌倉殿の13人」ここでタイトル回収!宿老たちの合議制に頼家が反発…第27回放送「鎌倉殿と十三人」予習:3ページ目

敢不可令敵對……頼家、親衛隊を結成!

「……何だこりゃ」

政所に掲示されたのは、こんなお触れ。

爲梶原平三景時。右京進仲業等奉行。書下政所云。小笠原弥太郎。比企三郎。同弥四郎。中野五郎等從類者。於鎌倉中。縱雖致狼藉。甲乙人敢不可令敵對。若於有違犯聞之輩者。爲罪科。慥可尋注進交名之旨。可觸廻村里之由。且彼五人之外。非別仰者。諸人輙不可參昇御前之由云々。

※『吾妻鏡』建久10年(1199年)4月20日条

【意訳】梶原景時と中原仲業に命じて以下の通り触れを出させた。曰く「小笠原長経・比企宗員・比企時員・中野能成とその従者については、鎌倉内で狼藉に及んでもこれを咎めてはならない。違反した者は罪に問うため、交名を作って提出すべし。とにかく彼ら5人の外は許可なく将軍への目通りを禁じる」とのこと。

「且彼五人之外(かつがつかのごにんのほか)」と言っていますが、名前が出ているのは四人のみ。頼家が言い間違えたのでしょうか。

小笠原弥太郎長経(おがさわら やたろうながつね)・比企三郎宗員(ひき さぶろうむねかず)・比企弥四郎時員(やしろうときかず)・中野五郎能成(なかの ごろうよしなり)……後に和田朝盛(わだ とももり)・細野四郎(ほその しろう)が加えられて6人の親衛隊が結成されたのです。

甲乙人敢不可令敵對(こうおつにんのあえててきたいせしむべからず)……甲乙人すなわち一般庶民(現代の感覚なら住民A、Bとでも言ったところ)は彼ら親衛隊に何をされても逆らってはならない……とんでもない話ですね。

また御家人(こと13人の宿老)たちに対しても「親衛隊以外の何人たりとも、許可なく面会を認めない」と釘を刺します。要するに「お前ら13人の合議制なんかよりも、我が親衛隊の方が格上なんだからな!」と言いたかったのでしょう。

「……やれやれ」

これが暴君として悪名高い2代目将軍・源頼家の悪行始めとなったのですが……その後も色々とやらかした挙げ句、非業の末路を辿るのはよく知られる通りです。

宿老たちへの不満から、すかさず親衛隊を結成した即決断行には才気の片鱗を感じるものの、やはり稚拙と言わざるを得ません。

終わりに

かくして頼朝ゆずりの英雄気質を受け継いだ頼家ですが、すでに時代は英雄よりも能吏を求めており、鎌倉殿も御家人団結の大義名分(≒お飾り)と化しつつありました。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、決められた型枠にはまりたくない若き英雄・頼家の苦悩と葛藤が描かれることでしょう。

果たして義時と政子は頼家の暴走を止めることができるのか、それとも……三谷幸喜のアレンジに注目ですね!

※参考文献:

  • 石井進『日本の歴史7 鎌倉幕府』中公文庫。2004年11月
  • 細川重男『頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」』朝日新書、2021年11月
  • 『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 後編』NHK出版、2022年6月
 

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