なんと「おでん」の歴史は800年以上!ごく身近な料理の歴史と多彩さに驚愕:3ページ目
変幻自在の「おでん」
おでんは、昭和になると、すぐに食べられる手軽さから駄菓子屋や居酒屋、屋台などで扱われるようになります。
また、1979(昭和54)年にコンビニで発売されると、より一層手軽に食べられるようになりました。
関東風や関西風以外にも、全国各地でさまざまな味や食べ方があります。例えば関東と関西の中間点である静岡には「静岡おでん」と呼ばれる独自のものが存在します。
関東風、関西風との大きな違いは、牛スジや豚モツなど、肉類から取った出汁を使用しているところです。
濃口醤油で調味しているため、だし汁の色は黒ですが、見た目の印象とは逆に、あっさりした味わいです。
そして、タネが一本ずつ串に刺さっているのも特徴的で、食べる際には青のりや削り粉と呼ばれる細かく削られたイワシ節をかけて食べます。
北海道や東北地方では昆布だしが基本です。北海道では豊富な海産物を入れたおでんが主流で、変わったところではツブ貝やホタテ、鱈の白子なども入れたりします。
「おでん」と呼ばれている料理の特徴を、全国規模で見ていくと、単純に一括りにして「おでん」と呼んでいいのかと迷ってしまうほど、その種類は豊富です。
それくらい多様でありながら、やっぱり「おでん」であることには違いない。日本人が古くから親しんできた料理ですが、いくらでも自由なアレンジが利く点も大きな魅力なのでしょう。
参考資料