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知る人ぞ知る江戸の都市伝説!下町に伝承する不思議な奇談・本所七不思議を巡る 【前編】

知る人ぞ知る江戸の都市伝説!下町に伝承する不思議な奇談・本所七不思議を巡る 【前編】

【1】おいてけ…と不気味な声が追いかけてくる「置行堀(おいてけぼり)」

江戸時代、本所界隈は水路の多い場所で、町人たちは魚釣りを楽しんでいた。そんなある夕暮れ時、太公望(※)が釣り上げたたくさんの魚を持って帰ろうとしたところ。

「おいてけ……おいてけ……」と、どこからともなく不気味な声が追いかけてきた。辺りを見回すも誰の姿もない。

ゾッとして一目散に家へ逃げ帰ったところ、魚籠(ビク)に入っていたたくさんの魚が一匹も残っていなかった。

※太公望:釣り人のこと

この話は、犯人は「ムジナ(たぬき)だ」「かっぱだ」といろいろな説が繰り広げられています。いわゆる「置いてけぼりにされてしまった!」というときの置いてけぼりの語源は、この話が由来だそうです。

【「置行堀」があったとされる場所】

江東区立第三亀戸中学校の正門横に「おいてけ堀跡」の碑があります。かつて、この場所は田畑でその中に釣り堀のような場所があり「オイテケ堀」の名が付いていたとか。

また、錦糸町駅そばにある「錦糸町堀公園」には、かつて「錦糸堀」があり、ここがおいてけ堀だったという説もあるのです。今でも公園にはカッパの銅像が飾られています。

3ページ目 【2】夜中にどこからともなくお囃子の音「狸囃子」

 

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