問題:この浮世絵の赤や黄色は何で着色されている?浮世絵の色の材料ってどんなもの?赤・黄色編:2ページ目
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黄
藤黄(とうおう)
雌黄(しおう)とも呼ばれる藤黄は、植物由来の色材です。東南アジア産オトギリソウ科のガンボージという木からとった黄色樹脂。着物の染料や日本画の顔料としてよく使用されるほか、皮膚病や外傷・火傷などの薬にも使われます。浮世絵の色材として紙上に摺る時には、温かみのある黄色に発色します。
下記の図の傘の黄色が藤黄です。
鬱金(うこん)
こちらも植物由来の色材。根っこの部分にできるショウガのような根茎を使用します。その根茎を煮てから乾燥させ、砕くと綺麗な黄色い粉になるのです。ちなみにこの根茎に含まれる成分が二日酔いにも効く事でも広く知られています。鬱金の別名はターメリックで、カレーのスパイスとしても有名です。色材としての発色は赤みが少なく、より鮮やかな黄色。藤黄よりも淡く、レモン色に近いような優しい澄んだ発色です。
参考文献:目黒区美術館「色の博物誌 江戸の色材を視る・読む」
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