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赤染衛門の実父?平安時代に活躍した歌人・平兼盛が詠んだ”富の魔力”とは【光る君へ】

赤染衛門の実父?平安時代に活躍した歌人・平兼盛が詠んだ”富の魔力”とは【光る君へ】:2ページ目

平兼盛の略歴

平兼盛は生年不詳、元は皇族で兼盛王と呼ばれましたが、臣籍降下により平姓を与えられました(光孝平氏)。

父親については諸説あり、平篤望(あつもち)または平篤行(あつゆき)が有力のようです。

村上天皇・冷泉天皇・円融天皇の三代に仕えて地方官や京官を歴任。最終的に駿河守・従五位上となりました。

そして正暦元年12月28日(991年1月16日)に卒去します。

歌人として活躍

元皇族としてはあまりパッとしないキャリアではあったものの、歌人としては大いに才能を発揮します。

兼盛の和歌は『拾遺和歌集』や『後拾遺和歌集』に多く採録され、『後撰和歌集』などにも約90首が採録されるなど、存在感を発揮しました。

その作風は才能に任せてスラスラ詠むタイプではなく、一首々々を丁寧に作り込むタイプだったと言います。

さりながら才智をひけらかすように技巧を散りばめるより、シンプルに洗練された表現を突きつめていました。

しのぶれど 色にいでにけり わが恋は
物や思ふと 人のとふまで

※「小倉百人一首」

これは天徳内裏歌合(てんとくだいりうたあわせ。天徳年間に行われた和歌大会)で発表されたもの。

「この恋心を人に知られないと必死に隠しているが、どうしても隠しきれず、人から『誰に恋をしているのですか』と訊ねられてしまった。それほど私の恋心は激しいのだ」

分かりやすく、かつ強い思いが伝わりますね。

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